2020年03月27日
【ノネコ管理計画】捕獲されたノネコは殺処分されるしかないのか?
・捕獲されたネコは元の場所に戻せない
・野生化した猫は凶暴で飼えるわけがないとした奄美の行政が「猫の生きる場所がないなら殺処分しかないだろう」と結論を出した
という話を一部の人が話しているのを見たので今日はこの話をしますね。
ノネコ管理計画で捕獲したノネコは、山の生態系を壊さないために捕獲したのですから勿論、ノネコを元の場所に戻せるわけがありません。
むしろ山にいるほうが不自然な猫、やっと山から出られたのにまた山に戻して過酷な生活を強いるのは・・・個人的にそちらの方が可哀想なのではないかなと思います。
湿度も高く雨も多い奄美大島の山、猫にとって良い環境とは言いづらいですよね。
ハブもカラスもいるし、奄美の山でのほほんと暮らすことは不可能なのではないかな。
ですから本来、猫が山から出れたことは喜ぶべきことなのではないでしょうか。
で、野生化した猫は凶暴で飼えるわけがないとした奄美の行政が「猫の生きる場所がないなら殺処分しかないだろう」と結論を出した・・・という話ですが・・・。
これ、参考としてノネコ管理計画の公的文書が載っていたのですが、野生化した猫は凶暴で飼えるわけがないと結論を出したとみられる箇所が見られないんですよね。
あるとしたらこの文面かな↓
飼養を希望する者への譲渡に努め、譲渡できなかった個体は、できる限り苦痛を与えない方法を用いて安楽死させることとする。飼い主へ引き渡しを行う又は譲受希望者へ譲渡する際は、奄美大島内においては動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動愛法」)及び5市町村の「飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例」(以下「条例」)を遵守するとともに完全に室内で飼養することを、また奄美大島外においては動愛法及び各市町村条例等に則って適切に飼養することを指導し確認した上で引き渡し等を行う。
引用:ノネコ管理計画
もし、ですよ。
ノネコは凶暴で飼えるわけがないだろうとしたら、最初から譲渡の道を諦めますよね。
しかしノネコ管理計画にははっきりと「飼養を希望する者への譲渡に努め」と書いてあります。
譲渡に努めることは諦めではありません。
確かにノネコですから、どんな個体がいるかわからないし中には人馴れしづらい子もいると思うんですよ。
だからそういう個体がいると譲渡は難しいかもな、そう思うこともあるかもしれませんが、しかし今のところノネコは1匹も殺処分されておりません。
十分に飼養を希望する者への譲渡へ努めていると言えますよね。
また、
生きる場所がなければ殺処分しかないだろう。
というのはおそらく、譲渡されなければ殺処分であることを指しているのですが、それは保健所や愛護センターでも同じことですよね。
悲しいですが生き物を生かすにはお金も人員も必要ですから、辛い決断も必要になってきます。
そうならないための適正飼養ですので、辛い決断を実行しなければならない側を責めるのはお門違いです。
それに・・・盲点だと思うのですけど、猫を守りたくて殺処分反対だと叫ぶ人にも実はノネコの生きる場所、作ってあげられるんですよ。
驚きましたか?
ノネコ管理計画反対!と署名運動まであるんですけど、その署名に7万人もの人が署名しているにも関わらず譲渡者があまり増えないのはおそらく、ノネコの生きる場所を自分も作れるって知らない人が大半だからだと思うんですよね。
さすがに奄美をたくさんディスっておきながら自分は生きる場所を作ることはない、なんて人はいないと思うのでおそらく譲渡者になれることを知らないのだと思います。
気づいてほしい!
そんなこんなで、猫が落ち着ける環境を今こそ自分の手で作り上げられるチャンスでもありますからノネコの生きる道を憂うなら譲渡も考えてみてください。
あ、意外にもノネコは馴れやすいと小笠原の元ノネコを飼っている野呂但さんも2018年7月14日~16日に行われたネコ市ネコ座のトークショーでお話ししていたとレポをみたので「野生化した猫は凶暴で飼えるわけがない」というのもデマですし(実際に飼っている人も何人もいますからね)、奄美の人が言ったという話もないのでこちらは猫の個体差によると考えた方が良いと思います。
なので奄美在住の方でノネコ譲渡者になり飼いたいと思うなら譲渡者認定を受けてからノネコセンターでマッチングすると良いと思いますよ。
では今日はこのへんで。
★ノネコは絶賛譲渡者募集中!興味がある方は奄美市の譲渡者募集ページをご覧ください↓
★いんまや動物病院の先生も譲渡者のひとりで、猫を飼いたい方に猫(ノネコとは限らない)を譲渡されているので、「猫を飼ってみたいけど初めてでよくわからない」「飼いたいけど何が必要か知りたい」「トライアルをへて飼うか決めたい」という方は先生のブログも覗いてみてください
タグ :ノネコ管理計画
2020年03月26日
ノネコ管理計画は希少種と猫の命を天秤にかけているのか?
ノネコ管理計画は、山に猫がいると生態系が崩れてしまうおそれがあるため猫を山から出しましょう、という計画です。
捕獲されたネコは一週間ほど収容され、譲渡者が居ない場合は殺処分となります。
★ノネコ管理計画はコチラ
殺処分がある、というと「なんでだ!」と声を上げる人もいるのですが、一週間ほど譲渡期間はありますし、猫をずっと収容しておくとエサ代やシート代、それにお世話する人の人件費などもありますから仕方がありません。
猫1匹、1年の餌代だけでも1~3万、病気をしたら医療費も必要になりますし、奄美はリッチな島というわけでもないので仕方がないとも思うのですが、この譲渡されなければ「殺処分」も入っているこの計画に対して「希少種と猫の命を天秤にかけているのか?」と憤る人が中にはいます。
殺処分の可能性があるので、希少種が救われるなら猫が死んでもいいのか、ということなのでしょうね。
確かに殺処分、嫌ですよね。
猫は可愛いですしそんな猫の命が失われるなんて考えると辛いですよね。
しかし猫を山においたままにしておけば、奄美の山に居る生き物が食べられてしまいます。
猫も山で必死に生きていますからね。
生きるためには仕方がありません。
けれども猫は奄美の山の生態系に組み込まれていないので猫が奄美の山に居る動物を食べると、その動物の糞だったりその動物そのものだったり、動物の種を運ぶ役割だったりが消失しまうんですよね。
ただ消えてしまう。
生態系の中で巡ることのない命の消失が起きてしまうんですよね。
そして・・・そもそも猫は元々、人が管理するべき家畜種です。
猫はペット、本来愛玩動物であり伴侶動物なので、山に居ることがちぐはぐな現実なんですよね。
だからこそ、そんなちぐはぐな現実を元に戻そうという計画がノネコ管理計画でもあるのですが、希少種と猫の命を天秤にかけるという言い方はどうにかならないのでしょうか・・・。
ところで猫の寿命、知っていますか?
2019年に一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実績調査によれば、猫の平均寿命は15.03歳、最長寿猫(ギネス)は38歳だというのですから驚きです。
一方で野良猫の寿命はおおよそ3年~5年。
平均寿命と比べて野良猫の寿命はとても短いです。
野良猫でこれですから、山で生きる猫はどうでしょうか?
奄美の山は猫にとって狩りやすい動物が多いですが、それでもハブなどのヘビ、カラスなどもいますから決してめちゃくちゃ楽な場所というわけでもないでしょう。
台風もあるし、猫が嫌う雨も良く降りますからね。
奄美に住んでいる方なら想像したらわかる通り、奄美の山というか野外は過酷ですよね。
やはりノネコも平均寿命は飼われている猫よりも短いんじゃないでしょうか。
ノネコ管理計画はおおよそ一週間の譲渡期間という決まりはありますが、それでも山に居る猫を出して、猫好きな方々に譲渡され過酷な生活から解き放たれる道でもあります。
「希少種と猫の命を天秤にかける」というよりは、「希少種も猫も元々いるべき場所で暮らしていく」、という話に捉えられませんか?
希少種を守るために猫の場所を奪う計画ではなくて、ある意味、副産物的ではありますが猫が安心して暮らせる場所を提供できる計画でもあるので、猫を救いたい、猫に幸せでいてほしいと考えたことがある方、今こそ自分の手で実現できるチャンスですよ。
殺処分の可能性があるにしろ、猫は山に居ても短命です。
命の重さを語るのであれば、山に居る猫の過酷な状況に思いを巡らせてみてください。
そして本当に希少種と猫の命を天秤にかけただけの計画なのか考えてみてください。
★ちなみにノネコ、絶賛譲渡者募集していますので興味がある方は奄美市の譲渡者募集ページをご覧ください↓
★いんまや動物病院の先生も譲渡者のひとりで、猫を飼いたい方に猫(ノネコとは限らない)を譲渡されているので、「猫を飼ってみたいけど初めてでよくわからない」「飼いたいけど何が必要か知りたい」「トライアルをへて飼うか決めたい」という方は先生のブログも覗いてみてください
タグ :ノネコ管理計画
2020年03月24日
「ノネコ」はノネコ管理計画が始まるから作られたワードというのは嘘で、デマです。
とても悲しい話なのですが、ノネコというワードはノネコ管理計画が始まるから作られた言葉であるというデマがまた飛び出したので記事にしておきます。

これから先も同じように言う人が出てくると思いますので、たびたび記事にするかもしれませんがご了承ください。
ノネコはノネコ管理計画が始まるから作られた言葉であると断言している方たちは主にこんなことを言っています↓
・鹿児島県の離島である奄美大島の山中で野生化した猫が600~1200ほどいる
・希少な小動物を捕食していることで悪者にされている
・人からエサを貰わない、山の中で生まれ育ち暮らしている猫を環境省が駆除目的の捕獲をするために害獣ノネコとした
・猫は悪者なのでしょうか?
まず、奄美大島の山中で野生化した猫が600~1200頭ほどいるというのは本当です。
これはノネコ管理計画(公的文書)にも書いてあります。
しかし希少な小動物を捕食していることで悪者にされている、はいささか違いますね。
また、人からエサを貰わない、山の中で生まれ育ち暮らしている猫をノネコというのは本当ですが、環境省がノネコ管理計画をしたいから駆除目的の捕獲をするために害獣ノネコとしたというのは誤りです。
猫が悪者と言うのも誰が言い始めたんだろう?
少なくとも行政ではないです。
例えば。
山に居る猫を本当に悪者として扱うのであれば譲渡の道もないんですよね。
(ノネコ管理計画は譲渡ありきの計画です)
「猫が悪さしているからやっつけてやろう!」
そんな風にとらえている人が居るのですけれども、悪さしているからやっつけてやろうと思っていたら、ノネコ捕獲の際に死なないように配慮したり、捕獲器の温度はどれくらいだろうとか調べもしないわけです。
やっつけてやろう、悪者として扱ってやろう。
だれもそんなこと考えていないんじゃないかな。
それに希少な小動物を捕食しているからというよりは、生態系を保全するための計画なのだから(ノネコ管理計画の表紙にもそう書いてある)、そこらへんの食い違いがありますね。
希少な小動物を捕食しているわけじゃないノヤギが駆除対象になっているのも生態系保全のためなんですよ。
希少な小動物を捕食しているから、ではないのです。
あと一番重要な事なのですが、ノネコという言葉はノネコ管理計画が出てきたからできた言葉ではないです。
ノネコという言葉が奄美のノネコ管理計画をしたいから作られた言葉であるなら、ノネコをまさに駆除中の沖縄(2002年から)、小笠原諸島(2005年から)でノネコという言葉が使われているわけがないですし、2006年の論文「鹿児島県屋久島の森林で発見された外来哺乳類 : タヌキ・ノイヌ・ノネコ・ヤギ(保全情報)」にもノネコという言葉が使われているの、変ですよね?
論文検索で「ノネコ」を検索しても、めっちゃ出てきますよ。
↓ノネコ検索したら出てきた画面のスクショ

なのに、奄美大島が山に居る猫を駆除したいから作った言葉だというのは完全なる言いがかりですし、デマですし、嘘です。
そもそも奄美の山は猫にとって過ごしやすい環境とは思えない(ジメジメだしよく雨降るしハブやカラスがいて心休まらないでしょう?)ので、この機会、せっかくですから山に居る猫はおうちで大事に飼ってくれる方に渡れば良いと思っています。
譲渡希望者、まだまだ募っていますので、気になった方は是非こちらもお読みください↓
いんまや動物病院の先生も譲渡者のひとりで、猫を飼いたい方に猫(ノネコとは限らない)を譲渡されているので、「猫を飼ってみたいけど初めてでよくわからない」「飼いたいけど何が必要か知りたい」「トライアルをへて飼うか決めたい」という方は先生のブログも覗いてみてください↓
ひゃ~ちょっと長くなってしまったな。
今日はこれで終わりますね。
2020年03月22日
奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていた、という話について
”奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたのに、奄美がたてたノネコ管理計画のせいで猫は山から排除されることになった”
という話をする人がまだ居ます。
びっくりしていますが、まだいるというか何度も何度も主にツイッターなどで説明しているのですが、彼らは本当に奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたんだと思っているっぽいんですよね。
でも本当に奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたんでしょうか?
そもそも、自分以外の生き物の幸せを感じ取れる人はいるのですか?
私は奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしている、という話は違うんじゃないかなあと思います。
何故なら私は私の幸せしか感じ取れないから。
人相手で幸せそうだなあと自分本位に感じるというならわかるんですけど、基本的に無表情の野生動物や野生化した動物を見て幸せそうだなあ、幸せだろうな、と思うことあるのですか?
それに幸せを決めるのは本人ですよね。
息子の幸せも息子が決めると思っているし、私は息子が幸せになれるように私ができることはしたいと思っているけれど、息子が幸せだ!とは決めつけられません。
だからそもそも、奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたなんて言い出すのは「どうした?」と思ってしまうわけです。
それに大陸から切り離された時からずーっといる奄美の固有種なら奄美の山にも適応しているのでそれなりに暮らしているでしょうけれど、ほんの数百年前から山に入った猫が奄美の険しい山に未だに暮らしているのを想像して、人間感覚で楽しそう、幸せそうだなあなど思うのですか?
家でまったりしている猫の方がリラックスしているように見えませんか?
猫は良く寝る生き物だと聞きます。
暖かい場所が好きな生きものだとも聞きます。
奄美の山、猫がよく眠れてずっと暖かくてリラックスできるような場所・・・ですかね?
奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたというのであれば、本当にそうであるのか今一度冷静に考えてみてほしいです。
2020年03月22日
27回オオトラツグミ一斉調査に参加してきました
↓詳しくはこちらに書きました↓
【感想】第27回オオトラツグミ一斉調査に参加したので素人感想を書く
【感想】第27回オオトラツグミ一斉調査に参加したので素人感想を書く
27回オオトラツグミ一斉調査に参加してきました。
早朝の4時半に集合しての一斉調査だったので、夜型人間の私は起きるのが大変だったのですが、早朝の林道を歩くのは初めてだったのでとてもドキドキして楽しかったです。
夜の山ってどこか神秘的で、ひっそりしていて
でもカエルの声とかよく聞こえてきて素敵でしたよ。
生き物の調査はこういう地道な作業を繰り返してやっと判明することが多いのだろうなとも感じました。
よくノネコ管理計画で
・クロウサギが増えている
・他の生き物だって増えているはず
・猫やその他の生き物の絶対値を出せ
など言われていますが、とんでもない話です。
今日参加した一斉調査のような地道な作業でやっと、「これくらいいるかもしれない」がわかるのに、絶対値を出せだなんて。
人間は言葉があるし、自ら記録をとれるのでだいたいこれくらい、という数値が出せるもんですが、しかし野生動物や野生化してしまった動物たちは違います。
いつもどこにいるのか決まっても居ない動物の絶対値を出すのは不可能です。
クロウサギにしてみても増えているのは体感的に確かだと思いますが、何年もデータを積み重ねてから「これくらいいるかもしれない」という結論を出すにはまだ早いのに、外野が「こんなに増えているじゃないか!」と騒ぐのはちょっとなんだかなと思う次第です。
野生動物を数える難しさ、地道さ、それを知らないから言える無知なる言葉なので責められないのですが、しかしそこまで言うなら一度くらい調査に参加してみたらいいのになあ、そう思います。
それに調査は地道ですが、楽しかったですよ。
今回私はオオトラツグミの一斉調査に参加して暗い林道を歩く体験ができたのはとてもプラスだと思っています。
奄美は自然豊かだけど、私はこの歳になるまで奄美の自然の豊かさを知りませんでした。
そういう人私以外にもいるだろうし、まだ自然を体感できていない人もいると思うので、せっかく奄美に住んでいるんですから奄美の自然に何度も圧倒されてほしいです。
ではまた。