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2020年01月16日

ノネコ管理計画が守る生態系ってなに?生きもの守る以外のメリットはあるの?

https://amamibook.amamin.jp/e754115.html

↑昨日の記事の続き!

「ノネコ管理計画は人のために行う計画だよ~
なんで生態系守るのが人のためなのか、っていうのはね」

ってところまでお話したと思います!
なので今日は生態系が何故大切なのか、
生態系による恩恵「生態系サービス」のメリットのお話。

ただ私、専門家ってわけじゃないので
本を開きながらお話します

ちょっと違うところがあれば教えてください。
私の記事よりわかりやすい
生態系サービスについてわかるサイトも貼っておきますね。

あとごめんなさい。
今日長いです・・・。


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★生態系が崩れると生態系サービスも乏しくなる

ノネコ管理計画を行う目的は生態系の保全。
そして生態系の保全は人のためにあるというお話をしましたが

そもそも生態系が崩れて何が悪いのか
分からない人の方が多いでしょう。

結論から言うと、生態系が崩れることで
私たちが普段何気なく受けている
生態系サービスが損なわれるんですよね。
だからこそ生態系保全が必要なのです。

でも次に


「生態系サービスってなんだし?」


こう思う人が大半なのかな。
(私もそうだったし)

ここがわからないと何がまずいのかわからないので、
サララ~と解説しましょうね。


★生態系サービス損なわれるとどうなるのか?

生態系サービスと聞いてもパッと思い浮かばないと思いますが
実は生態系サービスがなければ私たちは生きていけないので
とっても身近なサービスだったりするんですよ。

生態系は大きく4つに分けられます。


1.供給サービス
2.調整サービス
3.生息・生息地サービス
4.文化的サービス


でも正直この4つを言われても
自分にどう関わっているかわかりづらいですよね。
なので一番身近な供給サービスを元にお話ししてみます!


・生態系サービスが損なわれると食材のレパートリーが減る

供給サービスは例えば食糧だったり水、
衣食住に使われる原材料、農作物の品種改良に必要な遺伝子、
薬に必要な資源だったり、
見たり作ったりして楽しむもの(観賞)を指します。

なので生態系サービスが損なわれることで
食も損なわれてしまうんですよね。

私たちはスーパーでご飯の材料を買いますが
このご飯の材料を作り出したのは
元をたどれば野生にあった命です。

色々な異なる遺伝子を持つ別の生き物がいるからこそ
かけあわせるなどして
私たちの口に合うご飯ができるんですよ。

でもここで


「もうすでに作ることが出来ている種なら、
生態系が崩れて元の野生種が減っても
問題ないんじゃないか?」


と、鋭い人は思うかもしれません。

しかしですね、実際はそうではなく
例えば栽培植物や家畜は
おいしく作られてはいますが、病気にもかかりやすく
環境の変化にも弱い上に、

病気にかかるようになったら
野生種に近い系統から遺伝子を導入する必要があるんですよね。
二十世紀ではバナナ、サトウキビ
カカオ、コーヒーなどの作物が
野生種からの遺伝導入によって救われているので

今現在食べるものがあっても
この先ずっと食べるものを残すためには
やはり生態系を崩すのはまずいと言えるんです。


・生態系サービスは医療にも関わる

生態系サービスは医療にも関わります。
というのも、薬の大半は生物由来!
植物は動けない代わりに毒やトゲなどを用いて
捕食者から身を守るわけですが

この毒が薬に用いられるのです。
更に現在はカビや菌からも薬がとれることがわかっていて
特に生物多様性が多い地域だと
捕食者も病原菌も多いわけで
身を守るための物質も豊富です。

だからこそ生き物の多い地域(生物多様性が多い地域)は
ここから新薬を発見できるかもしれないと
熱帯の森、サンゴ礁を舞台に
新薬発見のための研究が重ねられていたりするんですよ。

ちなみに奄美大島は
日本でも特に生物多様性が高い地域と
言われているんですよ!!!!


・もっとわかりやすく言えば生態系サービスが損なわれると山が終わって奄美自体が終わります

これは全く脅しではなくて、本当のこと。
山ってただあるだけだと思っている人、多いんじゃないかな。

でも山って山の生き物や植物が作っているんですよ。
生きものが食べ食べられ
植物を食べて種を運んだり
糞が生き物の餌になったり

私たちじゃ全く理解できないほどの繊細な命の巡りを
毎日繰り返して積み重ねてきたもの
それが山なんですよね。

で、例えばアマミノクロウサギが絶滅したとすると
アマミノクロウサギの糞を食べて生きている↓


・ヤマナメクジ
・オオシマケマイマイ
・アマミセマダラマグソコガネ
・オオシマセンチコガネ


この生き物たちに影響が出る上に
特にアマミセマダラマグソコガネは
アマミノクロウサギのフンのみを食べると言われているので

アマミノクロウサギが絶滅すると
同時にアマミセマダラマグソコガネも終わってしまいます。


「うんこ食べる生きものなんていなくても良い!」


と考える人もいるかもしれないけど
フンを食べる生き物がいないとフン、そのままですよ?
そのままになってたらうんこだらけの山になってしまいますね。

それにいわゆる糞虫と言われているフンを食べているものは
種子分散の役割があると言われています。

哺乳類のフンに入った植物の種子が
糞虫によって地中に埋められて発芽。
つまり、糞虫は緑の人なんですよ~!!!



山に緑がなくなれば、山はもろくなり
水を蓄えられなくなります。

水を蓄えられなくなったらろ過もできなくなるので
山から下りてくる水により栄養をもらっていた
プランクトンにも影響が出て
プランクトンを食べる貝や魚にも影響が出るため

山が終わるのは、
奄美の海に生きるものにとっても死活問題の話。
海は海で
海の生き物がいるからこその奄美の絶景なので
山が終わるのは奄美のアイデンティティを損なうとともに



山があるからこそ受けられる
快適環境形成機能も損なわれるわけですから
森林の蒸発散作用で下げられていた夏の気温や
冬の気温上昇もなくなりますし

防風、防音などの効果も消えるので
めちゃくちゃ住みづらくなりますね……。

これらを簡単に言うとですね
奄美の生態系サービスを崩すことは
私たちの生きる場所の環境をいっきに崩すことに繋がるので
よくないよって話なんですよね。


★生態系はちょっとしたきっかけですぐに崩れる繊細なもの

わかりやすいのでアマミノクロウサギを出しましたが
山はアマミノクロウサギだけが生きているわけじゃないので
アマミノクロウサギ以外の生き物が絶滅しても
歯車が欠けたように
そこからドンドン崩れていくもの、と思ってください。

だからこそ、生態系に影響があるノネコやノヤギ、マングース
外来植物の防除に取り組んで
生態系が崩壊しないように頑張っています。

マングースは約20年頑張って
やってようやくあと少しだ!
となってきているところだと聞きます。
あと少し、という時が正念場。



奄美の広い山々でわずかなマングースを見つけることはとても困難だし
少ないからと放っておけば
また増えて、生態系が崩れ
アマミノクロウサギはあんまり見ない生き物となってしまいますから
並大抵の頑張りじゃ、達成できないでしょう。

でもそれでも奄美の山を守ろうと
頑張っている人がいるのは忘れないようにしたいですね。



長くなってしまったな…。
こんなに長く書くつもりはなかったのですが!
次回は「外来種に罪はない」という話が出来たら良いなと思います。
ではまたね。



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Posted by シロ  at 00:36 │Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

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