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2020年07月17日

ノネコ管理計画解説①表紙1/3

この記事は↓
ノネコ管理計画を読み解こう1.「表紙」「1.はじめに」
の小分け記事です!

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ノネコ管理計画とはなんだ?!
という方のために(自分の理解力を高めるためでもあるけど!)
ノネコ管理計画をゆるく解説していきますね。

島民の方も、

「ノネコ管理計画ってあるのは知ってるけど
どういうものかわかんないなあ。」

って人も多いのではないでしょうか。

難しい話はあんまりないので
この機会に知ってくれると嬉しいです!

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てことで、今回は表紙を見ていきましょうね!

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ノネコ管理計画の表紙はこんなかんじ↓



奄美大島における生態系保全のための
ノネコ管理計画
(2018 年度~2027 年度)

環境省那覇自然環境事務所
鹿児島県
奄美市 大和村 宇検村 瀬戸内町 龍郷町


ここで何がわかるかと言いますと

・目的
・期間
・どこが関わっている計画か

がわかるのですよ。

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まず目的ですが

奄美大島における生態系保全のための
ノネコ管理計画

ほら!↑もう書いちゃってるから!

ノネコ管理計画は
ただアマミノクロウサギを守るためだけの計画だと
間違われガチですが

クロウサギを含む生態系を保全するための計画なんですよ。

つまり、クロウサギだけの計画じゃないんですね。

これがわかるか、わからないかで
ノネコ管理計画を理解できる・できないが変わってきます。

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生態系って途方もない話なんですけど

食べたり食べられながらそれでもうまい具合に
バランスが取れる生き物の輪・・・
のようなものなんですよね。

しかしノネコ(猫)はこの生態系に含まれておらず
絶滅に追い込んでしまう恐れがあるため
ノネコは山から出してできるだけ譲渡していこう
となったわけなんです。

だからですね、例えばノネコがいて
クロウサギが滅ばなくても
クロウサギ以外の生態系に入っている生き物が滅ぶのも
NGなんですよね。

ここらへんまた話すことなんでアレなんですけれども

とりあえず、ノネコ管理計画は
生態系保全のための計画!

これをですね、今日はわかっていただけたらなと思いますね!!!

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長くなってしまった(つд⊂)エーン

表紙、まだあるんですけど
長くなったので続きはまた今度です。

あでゅー(^O^)


  


Posted by シロ  at 17:32Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年07月17日

ノネコ管理計画について別ブログで解説を始めたので、こちらでもしていきます。

ノネコ管理計画を解説したい!もっとわかりやすくしたい!
と、別ブログ「シロログ」にてゆるゆる解説していっているのですが、こちらでもしていきたいと思います。

ただ、ここにあの文字の羅列をガガガガー!って書いても
たぶん、文字多すぎて読めないので

(;´Д`)<だって文字だらけ嫌じゃない?

なので小分けにしたものを更に小分けにして更新していきますね。
  

Posted by シロ  at 17:06Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年03月27日

【ノネコ管理計画】捕獲されたノネコは殺処分されるしかないのか?

・捕獲されたネコは元の場所に戻せない

・野生化した猫は凶暴で飼えるわけがないとした奄美の行政が「猫の生きる場所がないなら殺処分しかないだろう」と結論を出した



という話を一部の人が話しているのを見たので今日はこの話をしますね。



ノネコ管理計画で捕獲したノネコは、山の生態系を壊さないために捕獲したのですから勿論、ノネコを元の場所に戻せるわけがありません。

むしろ山にいるほうが不自然な猫、やっと山から出られたのにまた山に戻して過酷な生活を強いるのは・・・個人的にそちらの方が可哀想なのではないかなと思います。



湿度も高く雨も多い奄美大島の山、猫にとって良い環境とは言いづらいですよね。

ハブもカラスもいるし、奄美の山でのほほんと暮らすことは不可能なのではないかな。

ですから本来、猫が山から出れたことは喜ぶべきことなのではないでしょうか。



で、野生化した猫は凶暴で飼えるわけがないとした奄美の行政が「猫の生きる場所がないなら殺処分しかないだろう」と結論を出した・・・という話ですが・・・。



これ、参考としてノネコ管理計画の公的文書が載っていたのですが、野生化した猫は凶暴で飼えるわけがないと結論を出したとみられる箇所が見られないんですよね。

あるとしたらこの文面かな↓



飼養を希望する者への譲渡に努め、譲渡できなかった個体は、できる限り苦痛を与えない方法を用いて安楽死させることとする。飼い主へ引き渡しを行う又は譲受希望者へ譲渡する際は、奄美大島内においては動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動愛法」)及び5市町村の「飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例」(以下「条例」)を遵守するとともに完全に室内で飼養することを、また奄美大島外においては動愛法及び各市町村条例等に則って適切に飼養することを指導し確認した上で引き渡し等を行う。




もし、ですよ。

ノネコは凶暴で飼えるわけがないだろうとしたら、最初から譲渡の道を諦めますよね。

しかしノネコ管理計画にははっきりと「飼養を希望する者への譲渡に努め」と書いてあります。

譲渡に努めることは諦めではありません。



確かにノネコですから、どんな個体がいるかわからないし中には人馴れしづらい子もいると思うんですよ。

だからそういう個体がいると譲渡は難しいかもな、そう思うこともあるかもしれませんが、しかし今のところノネコは1匹も殺処分されておりません。

十分に飼養を希望する者への譲渡へ努めていると言えますよね。



また、

生きる場所がなければ殺処分しかないだろう。

というのはおそらく、譲渡されなければ殺処分であることを指しているのですが、それは保健所や愛護センターでも同じことですよね。



悲しいですが生き物を生かすにはお金も人員も必要ですから、辛い決断も必要になってきます。

そうならないための適正飼養ですので、辛い決断を実行しなければならない側を責めるのはお門違いです。



それに・・・盲点だと思うのですけど、猫を守りたくて殺処分反対だと叫ぶ人にも実はノネコの生きる場所、作ってあげられるんですよ。

驚きましたか?

ノネコ管理計画反対!と署名運動まであるんですけど、その署名に7万人もの人が署名しているにも関わらず譲渡者があまり増えないのはおそらく、ノネコの生きる場所を自分も作れるって知らない人が大半だからだと思うんですよね。



さすがに奄美をたくさんディスっておきながら自分は生きる場所を作ることはない、なんて人はいないと思うのでおそらく譲渡者になれることを知らないのだと思います。

気づいてほしい!



そんなこんなで、猫が落ち着ける環境を今こそ自分の手で作り上げられるチャンスでもありますからノネコの生きる道を憂うなら譲渡も考えてみてください。



あ、意外にもノネコは馴れやすいと小笠原の元ノネコを飼っている野呂但さんも2018年7月14日~16日に行われたネコ市ネコ座のトークショーでお話ししていたとレポをみたので「野生化した猫は凶暴で飼えるわけがない」というのもデマですし(実際に飼っている人も何人もいますからね)、奄美の人が言ったという話もないのでこちらは猫の個体差によると考えた方が良いと思います。

なので奄美在住の方でノネコ譲渡者になり飼いたいと思うなら譲渡者認定を受けてからノネコセンターでマッチングすると良いと思いますよ。

では今日はこのへんで。



★ノネコは絶賛譲渡者募集中!興味がある方は奄美市の譲渡者募集ページをご覧ください↓



★いんまや動物病院の先生も譲渡者のひとりで、猫を飼いたい方に猫(ノネコとは限らない)を譲渡されているので、「猫を飼ってみたいけど初めてでよくわからない」「飼いたいけど何が必要か知りたい」「トライアルをへて飼うか決めたい」という方は先生のブログも覗いてみてください
  


Posted by シロ  at 01:20Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年03月26日

ノネコ管理計画は希少種と猫の命を天秤にかけているのか?

ノネコ管理計画は、山に猫がいると生態系が崩れてしまうおそれがあるため猫を山から出しましょう、という計画です。

捕獲されたネコは一週間ほど収容され、譲渡者が居ない場合は殺処分となります。



★ノネコ管理計画はコチラ



殺処分がある、というと「なんでだ!」と声を上げる人もいるのですが、一週間ほど譲渡期間はありますし、猫をずっと収容しておくとエサ代やシート代、それにお世話する人の人件費などもありますから仕方がありません。

猫1匹、1年の餌代だけでも1~3万、病気をしたら医療費も必要になりますし、奄美はリッチな島というわけでもないので仕方がないとも思うのですが、この譲渡されなければ「殺処分」も入っているこの計画に対して「希少種と猫の命を天秤にかけているのか?」と憤る人が中にはいます。



殺処分の可能性があるので、希少種が救われるなら猫が死んでもいいのか、ということなのでしょうね。



確かに殺処分、嫌ですよね。

猫は可愛いですしそんな猫の命が失われるなんて考えると辛いですよね。



しかし猫を山においたままにしておけば、奄美の山に居る生き物が食べられてしまいます。

猫も山で必死に生きていますからね。

生きるためには仕方がありません。



けれども猫は奄美の山の生態系に組み込まれていないので猫が奄美の山に居る動物を食べると、その動物の糞だったりその動物そのものだったり、動物の種を運ぶ役割だったりが消失しまうんですよね。

ただ消えてしまう。

生態系の中で巡ることのない命の消失が起きてしまうんですよね。



そして・・・そもそも猫は元々、人が管理するべき家畜種です。

猫はペット、本来愛玩動物であり伴侶動物なので、山に居ることがちぐはぐな現実なんですよね。



だからこそ、そんなちぐはぐな現実を元に戻そうという計画がノネコ管理計画でもあるのですが、希少種と猫の命を天秤にかけるという言い方はどうにかならないのでしょうか・・・。



ところで猫の寿命、知っていますか?

2019年に一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実績調査によれば、猫の平均寿命は15.03歳、最長寿猫(ギネス)は38歳だというのですから驚きです。

一方で野良猫の寿命はおおよそ3年~5年

平均寿命と比べて野良猫の寿命はとても短いです。



野良猫でこれですから、山で生きる猫はどうでしょうか?

奄美の山は猫にとって狩りやすい動物が多いですが、それでもハブなどのヘビ、カラスなどもいますから決してめちゃくちゃ楽な場所というわけでもないでしょう。

台風もあるし、猫が嫌う雨も良く降りますからね。

奄美に住んでいる方なら想像したらわかる通り、奄美の山というか野外は過酷ですよね。

やはりノネコも平均寿命は飼われている猫よりも短いんじゃないでしょうか。



ノネコ管理計画はおおよそ一週間の譲渡期間という決まりはありますが、それでも山に居る猫を出して、猫好きな方々に譲渡され過酷な生活から解き放たれる道でもあります。

希少種と猫の命を天秤にかける」というよりは、「希少種も猫も元々いるべき場所で暮らしていく」、という話に捉えられませんか?



希少種を守るために猫の場所を奪う計画ではなくて、ある意味、副産物的ではありますが猫が安心して暮らせる場所を提供できる計画でもあるので、猫を救いたい、猫に幸せでいてほしいと考えたことがある方、今こそ自分の手で実現できるチャンスですよ。

殺処分の可能性があるにしろ、猫は山に居ても短命です。

命の重さを語るのであれば、山に居る猫の過酷な状況に思いを巡らせてみてください。

そして本当に希少種と猫の命を天秤にかけただけの計画なのか考えてみてください。



★ちなみにノネコ、絶賛譲渡者募集していますので興味がある方は奄美市の譲渡者募集ページをご覧ください↓



★いんまや動物病院の先生も譲渡者のひとりで、猫を飼いたい方に猫(ノネコとは限らない)を譲渡されているので、「猫を飼ってみたいけど初めてでよくわからない」「飼いたいけど何が必要か知りたい」「トライアルをへて飼うか決めたい」という方は先生のブログも覗いてみてください
  


Posted by シロ  at 00:11Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年03月24日

「ノネコ」はノネコ管理計画が始まるから作られたワードというのは嘘で、デマです。

とても悲しい話なのですが、ノネコというワードはノネコ管理計画が始まるから作られた言葉であるというデマがまた飛び出したので記事にしておきます。

これから先も同じように言う人が出てくると思いますので、たびたび記事にするかもしれませんがご了承ください。



ノネコはノネコ管理計画が始まるから作られた言葉であると断言している方たちは主にこんなことを言っています↓



・鹿児島県の離島である奄美大島の山中で野生化した猫が600~1200ほどいる

・希少な小動物を捕食していることで悪者にされている

・人からエサを貰わない、山の中で生まれ育ち暮らしている猫を環境省が駆除目的の捕獲をするために害獣ノネコとした

・猫は悪者なのでしょうか?



まず、奄美大島の山中で野生化した猫が600~1200頭ほどいるというのは本当です。

これはノネコ管理計画(公的文書)にも書いてあります。






しかし希少な小動物を捕食していることで悪者にされている、はいささか違いますね。

また、人からエサを貰わない、山の中で生まれ育ち暮らしている猫をノネコというのは本当ですが、環境省がノネコ管理計画をしたいから駆除目的の捕獲をするために害獣ノネコとしたというのは誤りです。



猫が悪者と言うのも誰が言い始めたんだろう?

少なくとも行政ではないです。



例えば。



山に居る猫を本当に悪者として扱うのであれば譲渡の道もないんですよね。

(ノネコ管理計画は譲渡ありきの計画です)



「猫が悪さしているからやっつけてやろう!」

そんな風にとらえている人が居るのですけれども、悪さしているからやっつけてやろうと思っていたら、ノネコ捕獲の際に死なないように配慮したり、捕獲器の温度はどれくらいだろうとか調べもしないわけです。



やっつけてやろう、悪者として扱ってやろう。

だれもそんなこと考えていないんじゃないかな。



それに希少な小動物を捕食しているからというよりは、生態系を保全するための計画なのだから(ノネコ管理計画の表紙にもそう書いてある)、そこらへんの食い違いがありますね。

希少な小動物を捕食しているわけじゃないノヤギが駆除対象になっているのも生態系保全のためなんですよ。

希少な小動物を捕食しているから、ではないのです。



あと一番重要な事なのですが、ノネコという言葉はノネコ管理計画が出てきたからできた言葉ではないです。



ノネコという言葉が奄美のノネコ管理計画をしたいから作られた言葉であるなら、ノネコをまさに駆除中の沖縄(2002年から)、小笠原諸島(2005年から)でノネコという言葉が使われているわけがないですし、2006年の論文「鹿児島県屋久島の森林で発見された外来哺乳類 : タヌキ・ノイヌ・ノネコ・ヤギ(保全情報)」にもノネコという言葉が使われているの、変ですよね?



論文検索で「ノネコ」を検索しても、めっちゃ出てきますよ。



↓ノネコ検索したら出てきた画面のスクショ






なのに、奄美大島が山に居る猫を駆除したいから作った言葉だというのは完全なる言いがかりですし、デマですし、嘘です。

そもそも奄美の山は猫にとって過ごしやすい環境とは思えない(ジメジメだしよく雨降るしハブやカラスがいて心休まらないでしょう?)ので、この機会、せっかくですから山に居る猫はおうちで大事に飼ってくれる方に渡れば良いと思っています。



譲渡希望者、まだまだ募っていますので、気になった方は是非こちらもお読みください↓




いんまや動物病院の先生も譲渡者のひとりで、猫を飼いたい方に猫(ノネコとは限らない)を譲渡されているので、「猫を飼ってみたいけど初めてでよくわからない」「飼いたいけど何が必要か知りたい」「トライアルをへて飼うか決めたい」という方は先生のブログも覗いてみてください↓




ひゃ~ちょっと長くなってしまったな。

今日はこれで終わりますね。
  


Posted by シロ  at 01:36Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年03月22日

奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていた、という話について

”奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたのに、奄美がたてたノネコ管理計画のせいで猫は山から排除されることになった”

という話をする人がまだ居ます。
びっくりしていますが、まだいるというか何度も何度も主にツイッターなどで説明しているのですが、彼らは本当に奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたんだと思っているっぽいんですよね。

でも本当に奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたんでしょうか?

そもそも、自分以外の生き物の幸せを感じ取れる人はいるのですか?

私は奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしている、という話は違うんじゃないかなあと思います。
何故なら私は私の幸せしか感じ取れないから。

人相手で幸せそうだなあと自分本位に感じるというならわかるんですけど、基本的に無表情の野生動物や野生化した動物を見て幸せそうだなあ、幸せだろうな、と思うことあるのですか?

それに幸せを決めるのは本人ですよね。

息子の幸せも息子が決めると思っているし、私は息子が幸せになれるように私ができることはしたいと思っているけれど、息子が幸せだ!とは決めつけられません。

だからそもそも、奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたなんて言い出すのは「どうした?」と思ってしまうわけです。

それに大陸から切り離された時からずーっといる奄美の固有種なら奄美の山にも適応しているのでそれなりに暮らしているでしょうけれど、ほんの数百年前から山に入った猫が奄美の険しい山に未だに暮らしているのを想像して、人間感覚で楽しそう、幸せそうだなあなど思うのですか?

家でまったりしている猫の方がリラックスしているように見えませんか?
猫は良く寝る生き物だと聞きます。
暖かい場所が好きな生きものだとも聞きます。

奄美の山、猫がよく眠れてずっと暖かくてリラックスできるような場所・・・ですかね?

奄美の山で野生動物も猫も幸せに暮らしていたというのであれば、本当にそうであるのか今一度冷静に考えてみてほしいです。

  


Posted by シロ  at 20:23Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年03月22日

27回オオトラツグミ一斉調査に参加してきました

↓詳しくはこちらに書きました↓
【感想】第27回オオトラツグミ一斉調査に参加したので素人感想を書く

27回オオトラツグミ一斉調査に参加してきました。
早朝の4時半に集合しての一斉調査だったので、夜型人間の私は起きるのが大変だったのですが、早朝の林道を歩くのは初めてだったのでとてもドキドキして楽しかったです。

夜の山ってどこか神秘的で、ひっそりしていて
でもカエルの声とかよく聞こえてきて素敵でしたよ。

生き物の調査はこういう地道な作業を繰り返してやっと判明することが多いのだろうなとも感じました。

よくノネコ管理計画で

・クロウサギが増えている
・他の生き物だって増えているはず
・猫やその他の生き物の絶対値を出せ

など言われていますが、とんでもない話です。
今日参加した一斉調査のような地道な作業でやっと、「これくらいいるかもしれない」がわかるのに、絶対値を出せだなんて。

人間は言葉があるし、自ら記録をとれるのでだいたいこれくらい、という数値が出せるもんですが、しかし野生動物や野生化してしまった動物たちは違います。
いつもどこにいるのか決まっても居ない動物の絶対値を出すのは不可能です。

クロウサギにしてみても増えているのは体感的に確かだと思いますが、何年もデータを積み重ねてから「これくらいいるかもしれない」という結論を出すにはまだ早いのに、外野が「こんなに増えているじゃないか!」と騒ぐのはちょっとなんだかなと思う次第です。

野生動物を数える難しさ、地道さ、それを知らないから言える無知なる言葉なので責められないのですが、しかしそこまで言うなら一度くらい調査に参加してみたらいいのになあ、そう思います。

それに調査は地道ですが、楽しかったですよ。

今回私はオオトラツグミの一斉調査に参加して暗い林道を歩く体験ができたのはとてもプラスだと思っています。

奄美は自然豊かだけど、私はこの歳になるまで奄美の自然の豊かさを知りませんでした。
そういう人私以外にもいるだろうし、まだ自然を体感できていない人もいると思うので、せっかく奄美に住んでいるんですから奄美の自然に何度も圧倒されてほしいです。

ではまた。
  


2020年01月20日

瀬戸内で服部先生の講演あったんで行ってきた~!

https://memo.amami-book.info/sekaisizenisankouza/

↑ここにしたためた!
奄美の生き物はいっぱいいて
そのどれもが素晴らしいね!
って思った!(笑)

まだまだ知らないことだらけだけど
山の植物、今度動画撮りに行きたいなあ。

いきたいです!
腐生植物に興味ありです~!!!
詳しくはここにも書く気力がないため
上のリンクからブログみて……!
  


2020年01月18日

保全計画で駆除される外来種(ノネコ管理計画で言えばノネコ)に罪はあるのか?

よくノネコ管理計画でも

「ネコに罪はない!」

という話をよく目にします。
私はこの意見に反対も賛成もしません。

何故なら、ノネコ管理計画含む保全計画は全て、外来種が悪いものだから排除しようとしているわけではないからです。

今回はそんなノネコ管理計画で悪いのは誰か、という話をします。



↓生態系サービスについてよくわかるサイト↓

↓ノネコの譲渡者になりたい!って方はコチラ↓

↓ノネコ譲渡認定者で島民にノネコやノラネコを譲渡している獣医師先生のブログ↓
(ノネコを譲渡してもらうよりも、先生から譲渡されたほうがトライアル&猫の基礎知識なども教えてもらえるのでオススメです!)




★外来種は悪くない

外来種は悪くないという話を目にするたびに思うのですが、誰も悪いとは言っていないのです。

前回の記事「ノネコ管理計画が守る生態系ってなに?生きもの守る以外のメリットはあるの?」でもお話しした通り、ノネコ管理計画は人のために行われている計画です。

人がこの先も生きていられるために生態系を守ろう、そういうことなんですね。

生態系を守るために、ノネコが山に居ると不都合だからノネコ管理計画で山から出してできるだけ譲渡につなげようとしているのです。

ノネコ管理計画以外の保全計画でもそうですが、外来種が悪いから排除するなんて話ではないのです。




★ノネコ管理計画で悪いのは誰か?

猫が悪いのでなければ誰が悪いのでしょうか?
まず考えられるのが人です。

人さえ猫を外で飼ったり、飼えないほど増やさなければノネコ管理計画はそもそもない話なのですから、人が悪いと考えるのも当然の話です。

しかし本当にそうでしょうか。

今でこそ猫にネズミを捕らせるのは不衛生でよくないとか、そもそもあまり意味がないなど分かってきていますが、昔はそうではありませんでした。

猫はネズミを捕ってくれるもので、そのために居る存在だと信じられていましたし、今でも信じている人は島でもチラホラいらっしゃいますよね。

昔はそれが普通でしたし、それが最良と思っていた人たちを悪いとは言えないのです。




★生態系保全に悪い悪くないはない
生態系に影響があるとわかっていながらあえて猫を山に放つ人がいるならそれは悪いと言えますが、そういった特殊な例ではない限り、ノネコ管理計画う含む生態系保全に関わるものすべて、悪い存在はいません。

上でも言った通り、生態系保全は必要だから行うものですから、わざわざ悪いものを決めつける必要はないと思いませんか?




★「猫は悪くないのに山からでないといけないの?」という話
「猫ちゃんは悪くない!なんで山からでないといけないんだ!」

という話も一定数聞くので、こちらについてもちょっとお話してみます。

確かに猫は悪くありません。

彼らも必死で山で生きてきたのでしょうし、生きるために在来種を食べてきたことも否定しません。

でも、人にとってはそれが不都合なんです。


・振り回される猫に同情する気持ちもわかる

猫は奄美の生態系に含まれていないから、人の都合で外でネズミを狩るように飼われてみたけど、増えてしまって山で暮らすようになった猫たち、今度は山で暮らすと生態系に影響が出るからと捕獲され譲渡されていく猫たち。

振り回されているのは猫だから、同情する気持ちもわかります。

しかし、だからといって猫は悪くないから生態系に影響が出ても山に置いておいても良いという事にはならないんですよね。


・猫にとって山暮らしは幸せなのか?過酷なのではないのか?

それに山暮らしは、島の人はちょっと考えれば想像つきますよね。
山暮らしはとても過酷なものです。

山にはハブもいるしカラスもいますから、幼い子猫は簡単に食べられてしまうでしょう。

更に奄美は台風や大雨、嵐のような日がちょいちょいありますよね。

そんな山に、愛玩動物である猫がいる方が不自然だと思うのですが、どうでしょうか。


★猫を救いたいなら譲渡者を増やすしかない

「それでも猫を死なせたくない」
「ノネコとして捕まって、譲渡されなければ殺処分なんてあんまりだ」

この気持ちもわかります。
人のせいで死ぬかもしれない猫を思う優しさは素晴らしいものですよね。

しかし、だからといって人の生きる未来を、猫のためにつぶすことができるでしょうか。

もし私一人だけの話だったのなら、それもアリかなと思いますが、しかし私には大切な人が居て、その人にも大切な人がこれからできるかもしれない。

それなのに、猫のために人が生きる未来をつぶしますなんて言えないのです。


・ノネコ管理計画は譲渡の道がある、猫をできるだけ生かす計画です

それに、ノネコ管理計画は譲渡に努めるとはっきり書かれた計画です。

世間では猫のことを全く考えていないとか、すぐに殺処分したいんだろとか言われていますが、そうであればわざわざ捕獲して譲渡なんて道は取っていませんよね。

行政はしっかり、譲渡者が居れば譲渡に努めると猫が生きる道を用意しています。

後はその受け皿だけ、猫を救いたい人が用意したら良いだけなのです。


・ノネコを生かすなら、ノネコの数だけの譲渡者数を増やす

ノネコの推定数は600~1,200匹ですから、捕まった分だけ譲渡者が集まれば、殺処分される猫は出てきません。

色々な意見が飛び交っていますが、本来はとてもシンプルな話なんですよね。

行政は人の生活や未来を守るために動いて、猫を救いたい人が行政が捕獲した猫を受け取る。

これだけの話なんです。

ですから、もし猫を救いたかったり、とくに救いたいわけじゃないけどこれから猫を飼ってみたいと思っていた人はノネコ譲渡も視野にいれてみていただけると嬉しいです。

是非、よろしくお願いします。



★おわり

口下手なので、伝わっているかとても不安です!
とりあえず今回は誰も悪くない、必要だからある計画なんだよという事を伝えたかったのです。

次はどうしようかな。
「何故奄美のノネコ管理計画は殺処分が盛り込まれているのか」という話をしようかな。

ではまたね。



↓生態系サービスについてよくわかるサイト↓

↓ノネコの譲渡者になりたい!って方はコチラ↓

↓ノネコ譲渡認定者で島民にノネコやノラネコを譲渡している獣医師先生のブログ↓
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Posted by シロ  at 06:06Comments(0)ノネコ管理計画関連の話

2020年01月16日

ノネコ管理計画が守る生態系ってなに?生きもの守る以外のメリットはあるの?

https://amamibook.amamin.jp/e754115.html

↑昨日の記事の続き!

「ノネコ管理計画は人のために行う計画だよ~
なんで生態系守るのが人のためなのか、っていうのはね」

ってところまでお話したと思います!
なので今日は生態系が何故大切なのか、
生態系による恩恵「生態系サービス」のメリットのお話。

ただ私、専門家ってわけじゃないので
本を開きながらお話します

ちょっと違うところがあれば教えてください。
私の記事よりわかりやすい
生態系サービスについてわかるサイトも貼っておきますね。

あとごめんなさい。
今日長いです・・・。


↓生態系サービスについてよくわかるサイト↓

↓ノネコの譲渡者になりたい!って方はコチラ↓

↓ノネコ譲渡認定者で島民にノネコやノラネコを譲渡している獣医師先生のブログ↓
(ノネコを譲渡してもらうよりも、先生から譲渡されたほうがトライアル&猫の基礎知識なども教えてもらえるのでオススメです!)


★生態系が崩れると生態系サービスも乏しくなる

ノネコ管理計画を行う目的は生態系の保全。
そして生態系の保全は人のためにあるというお話をしましたが

そもそも生態系が崩れて何が悪いのか
分からない人の方が多いでしょう。

結論から言うと、生態系が崩れることで
私たちが普段何気なく受けている
生態系サービスが損なわれるんですよね。
だからこそ生態系保全が必要なのです。

でも次に


「生態系サービスってなんだし?」


こう思う人が大半なのかな。
(私もそうだったし)

ここがわからないと何がまずいのかわからないので、
サララ~と解説しましょうね。


★生態系サービス損なわれるとどうなるのか?

生態系サービスと聞いてもパッと思い浮かばないと思いますが
実は生態系サービスがなければ私たちは生きていけないので
とっても身近なサービスだったりするんですよ。

生態系は大きく4つに分けられます。


1.供給サービス
2.調整サービス
3.生息・生息地サービス
4.文化的サービス


でも正直この4つを言われても
自分にどう関わっているかわかりづらいですよね。
なので一番身近な供給サービスを元にお話ししてみます!


・生態系サービスが損なわれると食材のレパートリーが減る

供給サービスは例えば食糧だったり水、
衣食住に使われる原材料、農作物の品種改良に必要な遺伝子、
薬に必要な資源だったり、
見たり作ったりして楽しむもの(観賞)を指します。

なので生態系サービスが損なわれることで
食も損なわれてしまうんですよね。

私たちはスーパーでご飯の材料を買いますが
このご飯の材料を作り出したのは
元をたどれば野生にあった命です。

色々な異なる遺伝子を持つ別の生き物がいるからこそ
かけあわせるなどして
私たちの口に合うご飯ができるんですよ。

でもここで


「もうすでに作ることが出来ている種なら、
生態系が崩れて元の野生種が減っても
問題ないんじゃないか?」


と、鋭い人は思うかもしれません。

しかしですね、実際はそうではなく
例えば栽培植物や家畜は
おいしく作られてはいますが、病気にもかかりやすく
環境の変化にも弱い上に、

病気にかかるようになったら
野生種に近い系統から遺伝子を導入する必要があるんですよね。
二十世紀ではバナナ、サトウキビ
カカオ、コーヒーなどの作物が
野生種からの遺伝導入によって救われているので

今現在食べるものがあっても
この先ずっと食べるものを残すためには
やはり生態系を崩すのはまずいと言えるんです。


・生態系サービスは医療にも関わる

生態系サービスは医療にも関わります。
というのも、薬の大半は生物由来!
植物は動けない代わりに毒やトゲなどを用いて
捕食者から身を守るわけですが

この毒が薬に用いられるのです。
更に現在はカビや菌からも薬がとれることがわかっていて
特に生物多様性が多い地域だと
捕食者も病原菌も多いわけで
身を守るための物質も豊富です。

だからこそ生き物の多い地域(生物多様性が多い地域)は
ここから新薬を発見できるかもしれないと
熱帯の森、サンゴ礁を舞台に
新薬発見のための研究が重ねられていたりするんですよ。

ちなみに奄美大島は
日本でも特に生物多様性が高い地域と
言われているんですよ!!!!


・もっとわかりやすく言えば生態系サービスが損なわれると山が終わって奄美自体が終わります

これは全く脅しではなくて、本当のこと。
山ってただあるだけだと思っている人、多いんじゃないかな。

でも山って山の生き物や植物が作っているんですよ。
生きものが食べ食べられ
植物を食べて種を運んだり
糞が生き物の餌になったり

私たちじゃ全く理解できないほどの繊細な命の巡りを
毎日繰り返して積み重ねてきたもの
それが山なんですよね。

で、例えばアマミノクロウサギが絶滅したとすると
アマミノクロウサギの糞を食べて生きている↓


・ヤマナメクジ
・オオシマケマイマイ
・アマミセマダラマグソコガネ
・オオシマセンチコガネ


この生き物たちに影響が出る上に
特にアマミセマダラマグソコガネは
アマミノクロウサギのフンのみを食べると言われているので

アマミノクロウサギが絶滅すると
同時にアマミセマダラマグソコガネも終わってしまいます。


「うんこ食べる生きものなんていなくても良い!」


と考える人もいるかもしれないけど
フンを食べる生き物がいないとフン、そのままですよ?
そのままになってたらうんこだらけの山になってしまいますね。

それにいわゆる糞虫と言われているフンを食べているものは
種子分散の役割があると言われています。

哺乳類のフンに入った植物の種子が
糞虫によって地中に埋められて発芽。
つまり、糞虫は緑の人なんですよ~!!!



山に緑がなくなれば、山はもろくなり
水を蓄えられなくなります。

水を蓄えられなくなったらろ過もできなくなるので
山から下りてくる水により栄養をもらっていた
プランクトンにも影響が出て
プランクトンを食べる貝や魚にも影響が出るため

山が終わるのは、
奄美の海に生きるものにとっても死活問題の話。
海は海で
海の生き物がいるからこその奄美の絶景なので
山が終わるのは奄美のアイデンティティを損なうとともに



山があるからこそ受けられる
快適環境形成機能も損なわれるわけですから
森林の蒸発散作用で下げられていた夏の気温や
冬の気温上昇もなくなりますし

防風、防音などの効果も消えるので
めちゃくちゃ住みづらくなりますね……。

これらを簡単に言うとですね
奄美の生態系サービスを崩すことは
私たちの生きる場所の環境をいっきに崩すことに繋がるので
よくないよって話なんですよね。


★生態系はちょっとしたきっかけですぐに崩れる繊細なもの

わかりやすいのでアマミノクロウサギを出しましたが
山はアマミノクロウサギだけが生きているわけじゃないので
アマミノクロウサギ以外の生き物が絶滅しても
歯車が欠けたように
そこからドンドン崩れていくもの、と思ってください。

だからこそ、生態系に影響があるノネコやノヤギ、マングース
外来植物の防除に取り組んで
生態系が崩壊しないように頑張っています。

マングースは約20年頑張って
やってようやくあと少しだ!
となってきているところだと聞きます。
あと少し、という時が正念場。



奄美の広い山々でわずかなマングースを見つけることはとても困難だし
少ないからと放っておけば
また増えて、生態系が崩れ
アマミノクロウサギはあんまり見ない生き物となってしまいますから
並大抵の頑張りじゃ、達成できないでしょう。

でもそれでも奄美の山を守ろうと
頑張っている人がいるのは忘れないようにしたいですね。



長くなってしまったな…。
こんなに長く書くつもりはなかったのですが!
次回は「外来種に罪はない」という話が出来たら良いなと思います。
ではまたね。



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Posted by シロ  at 00:36Comments(0)ノネコ管理計画関連の話